プログラミングを学ぶと受験に有利って本当?〜「プログラミング的思考」と「受験」に関するお役立ちコラム

2018年11月16日

こんにちは!洛南学舎のIT・広報を担当しております藤居と申します。
この度ホームページのリニューアルと担当させていただきました!
見やすさや使い心地などいかがでしょうか?
お気づきの点やご感想などお気軽にご連絡くださいね!!

プログラミング教育さて、ITの専門家&京大現役合格(!?)という知見を活かして、受験に役立つコラムを寄稿させていただこうと考えています。
まずは「プログラミング教育」と「受験」について、コラム書かせていただこうと思いますー。


—-
目次
1. プログラミングを学ぶと受験に有利って本当?
2. プログラミング教育はすべての教科に組み込まれる!?
3. プログラミング教育はこれからの社会で必要とされる能力を伸ばします
4. プログラミングに関係した入試問題が増えるかも!?
5. おわりに
—-

1. プログラミングを学ぶと受験に有利って本当?

学習指導要領「生きる力」2020年から新学習指導要領がはじまります。
学習指導要領「生きる力」 – 文部科学省 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm
よく知られているのは「小学校からプログラミングが必修化される」ということですね。

「プログラミングはなぜ必修化になるの?」「こどもたち全員が学ぶ必要はあるの?」「プログラミングってなんかむずかしそう…小学生でもできるの?」などといった疑問・質問をお受けすることが多く、新しいカリキュラムのはじまりに不安を覚える方も多いように見受けられます。

そして一番気になる部分はやはり「受験」「入試」との関係性ですね。
「プログラミングができないと学校の成績に影響するの?」
「プログラミングを学ぶと受験に有利になるの?」
「プログラミングは入試には関係ないの??」

結論から言いますと、「プログラミングを学ぶと今後の受験を有利に進められることは間違いない」です。
これからのコラムの中で少しずつその理由をお伝えできればと思います^^

2. プログラミング教育はすべての教科に組み込まれる!?

受験プログラミング教育というと、「プログラミング」という教科が新しくできて、教科書に沿って学習をすすめるといったイメージがありますが、そうではありません!
さまざまな教科の単元の中に、プログラミングを使った考え方(プログラミング的思考)を元にしたカリキュラムが組み込まれていきます。
しかもこれは英・数(算)・国・理・社・の五教科だけじゃなく、全教科です!!図画工作や家庭科、音楽、保健体育にも組み込まれていきます。
プログラミングというと理数系なイメージが強いですが、文系科目にも関連するのですね。

受験に関連しては、ここ数年「プログラミング的思考」を元にした出題が増えてきているように思えます。
やはり数学(算数)や理科の出題が多いですが、英語・国語の文章題のテーマに扱われたり、社会の記述問題のお題に設定されたりもしています。
(あとで出題例を少し挙げますが、今後コラムの中で様々な例をお伝えしていければと思います…!)

3. プログラミング教育はこれからの社会で必要とされる能力を伸ばします

ロボット文部科学省はプログラミング教育の目的を「プログラミング的思考」を育むことであるとしています。
プログラミング的思考とは「自分が達成したい目標を設定し、それを小さな目標に分解して、どのような手順でどのような方法で組み合わせるのかを試行錯誤する中で実現していく考え方」のことです。
…といわれてもわかりにくいですね(^_^;)
プログラミングを噛み砕いて言うと、「コンピュータに自分のしてほしいことをうまく伝える」ことなのですが、プログラミングを学習することで、下記のような能力をのばすことができます。
「客観的に物事を捉え、筋道立ててものごとを考えることができる論理的な思考力」
「失敗を繰り返しながら試行錯誤を続けることができる集中力・忍耐力」
「丸暗記に頼らず知識を組み合わせながらあれこれと発想・着想をめぐらすことができる創造力」

特に最後の「創造力」はこれからの世の中で必要となるとても大事な能力です。
「創造力が足りない」「創造力を伸ばすように」と言われてもなかなかどうしてよいものか分かりませんよね…(^_^;)
将来必要とされる能力をより効率的に身につけることができるということも、プログラミング教育が必修化された背景のひとつなのです。

『21世紀の教育・学習』中島さち子今年、経済産業省による教育に関する有識者会議「未来の教室」とEdTech研究会が開催されました。
その中の、中島さち子先生の『21世紀の教育・学習』という資料に、これからの時代、いかに「創造力」が大切かがわかりやすく書かれていました。
とても興味深い内容でしたので、また別の機会にご紹介できればと思います!
「未来の教室」とEdTech研究会(経産省) 第1回 配布資料 資料9 中島委員提出資料 『21世紀の教育・学習』中島さち子 http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/mirainokyositu/pdf/001_09_00.pdf

4. 今後プログラミング的思考を使った入試問題が増えるかも!?

さて、察しの良い聡明なみなさんはお気づきだと思います。
プログラミング教育で鍛えられる「論理的思考力」「試行錯誤力(集中力・忍耐力)」「創造力」はすべて受験に挑む上で必要な能力なのです。
現在の入試では、暗記やパターン問題ではなく考えさせる問題を重点的に出題するようになっていきます。
大学入試センター試験も2021年から「大学入学共通テスト」に名前を変え、マークシート式から記述式問題が導入されます。(文系科目でだけでなく、理系科目も同様に記述力が必要になります。)
また、中学・高校・大学のどの難関校の入試問題でも、これまで見たことのないような真新しい問題が出題されるようになりました。
しかもその中でも、「プログラミング的思考」に基づいた出題が多くなってきたように感じます。

中学入試問題で少し例を見てみましょう。

お掃除ロボット「H.30 西京附中 検査Ⅱ 5」は、書き出しが「京子さんはお父さんにロボットを買ってもらいました。」からはじまりまして、まんまロボットのプログラミングに関する問題でした!
ロボットのプログラミング問題は今後増えていくでしょうが、(4)の問など「論理的思考力」「試行錯誤力」をうまく試させる良問と言えるでしょう。(今後類似問題が増えるかもしれませんね!)
(3)や(4)を証明・記述式にすると中堅大学入試で出題されてもおかしくないレベルの問題になりますね…!

電気「H.30 洛南附中 算数3」は、一見するとなんの問題かわかりづらくなっているのですが、格子の最短経路問題だと気づけるかどうかが最初の関門になっています。
(パット見、上記の西京の問題とも類似していますね!)
あとは図全体をみたときの絵柄(パターン)に気づくとぐっと解きやすくなります。このあたりも、「プログラミングで図形や模様を描く」みたいなことをやっていると、すんなり気づけることでしょう。
これまで見たことのない問題を自分の知っているパターン問題の解き方にうまくもっていくところなど「創造力」が試される部分なのだと思います。

(※問題の詳細が知りたい人は洛南学舎の先生に聞いてみてね!!)

先に述べたとおり、将来社会で必要とされる能力が変化してきたことにより、それにあわせて受験で求められる能力も変わってきました。
特に、世界的に共通の教養となり得る「プログラミング」に関する出題が増えており、これに対応していくことが入試の合否に直結していくことになるでしょう。

5. おわりに

幼児教育2020年からはじまる小学校のプログラミング教育必修化ですが、実はなんと「学校の裁量」によってどの程度取り組むかが決まります。
つまり、私立・公立学校間だけでなく、公立学校間でもプログラミング教育格差出てくるということです。
やばいですねー(^_^;)w
どこでもいいから学校にさえ行っておけばなんとかなる時代が終わりを告げ、より良い教育を受けるために入試を勝ち抜くことの重要性が今後更に高まってくることでしょう。
小学受験が更に激化し、あわせて幼少期からの進学塾の役割も大きくなってくることでしょう。

・・・

さて、洛南学舎では、「プログラミング的思考」に関連した入試問題にもばっちり対応した学習カリキュラムをご提供しております。
これからの受験転換期、情報が錯綜する中、受験生・保護者の皆さんは「このままで大丈夫かな。。」と不安を覚えることも多々あるかと思います。
でも大丈夫!洛南学舎のスタッフのみなさんを信じて、大船に乗った気持ちで受験に挑んでください!!

私も陰ながらですが、みなさんのサポートができればと考えております^^
まずは、先に紹介させていただいたような、「プログラミング的思考」に関連した入試問題にフォーカスしたコラムの寄稿ができればと考えております。
また次回をお楽しみに♪ ご意見・ご感想は学舎スタッフまでお気軽にお願いいたします!

おまけの課題

さて、課題です。頭をフル回転させて、ときにはコネコネもみほぐして、「論理的思考力」「試行錯誤力(集中力・忍耐力)」「創造力」を培ってみてください♪


課題問題 「円周率は3より大きいことを示してください」

pi-3.14円周率は3じゃん!と思う小・中学生の生徒さんも多いかもしれませんが、「そもそも円周率ってなに?」というところから考えてみると良いかもしれません^^
これも現代社会に必要な『批判的思考(クリティカルシンキング)〜ものごとを「本当にそうなのか?」という視点に立つ考え方』を鍛える練習です!!
完璧な証明は必要ありません。どんなことがわかればよいのか、何が示せればよいのか、筋道立てて考えてみましょう!
(…これ、実は2003年の東京大学理系数学の改題なのですが、気にせずチャレンジしてみましょう!!)
わからなければ先生と一緒に考えてみてね♪^^

参考情報

プログラミング教育ってなに? 親が知りたい45のギモン – 石戸奈々子

https://amzn.to/2JOxA8F
本コラムを書く上でとても参考にさせていただきました。Q&A形式で書かれていてとても読みやすい一冊です♪
石戸奈々子さんが理事長を務めるNPO法人CANVASの取り組みも見逃せません!

NPO法人CANVAS
〜こどもたちの創造・表現力をテーマにしたワークショップ・イベント、セミナーを多数、企画・開催しているNPO〜
http://canvas.ws/

経済産業省 「未来の教室 Learning Innovation」

https://www.learning-innovation.go.jp/
2030年頃には日本全国の当たり前であってほしい「未来の教室」の姿(誰もが「創造的な課題発見・解決力」を育むことができる「学びの社会システム」)について議論し、その実現のための実証事業を紹介するサイトです。
プログラミング教育だけでなく、EdTech(教育✕テクノロジー)に関する最新の取り組みについて知ることができます。
こちらが立ち上がる前段階の研究会についてはこちら

「未来の教室」とEdTech研究会
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/mono_info_service.html

TOP